VBTトレーニングとは?%1RM管理との違いを野球向けにわかりやすく解説
VBT(Velocity Based Training)は、 バーベルや器具をどれくらいの速さで動かせたか を見ながら、 その日の負荷や本数、 止めどきなどを判断するトレーニングの考え方です。
一方で、 従来の現場でよく使われてきたのが %1RM管理 です。 これは、 自分の最大挙上重量(1RM)の何%でメニューを組むか、 という考え方です。 たとえば 「1RMの70%で5回を3セット」 のように設定します。
どちらもトレーニング管理の方法ですが、 考え方も、 現場で見ているものも少し違います。 この記事では、 VBTトレーニングとは何か、 そして %1RM管理との違い を、 野球向けにできるだけわかりやすく整理します。
この記事のポイント
- VBTは「重さ」だけでなく「動く速さ」を見て判断する方法
- %1RM管理はメニューを組みやすいが、 その日の状態差は見えにくい
- 野球では、 出力・疲労管理・やりすぎ防止の面でVBTが噛み合いやすい
- 大事なのは、 どちらが上かではなく、 目的に応じて使い分けること
まず結論:%1RM管理は「予定を組みやすい」、VBTは「その日に合わせやすい」
先に結論を言うと、 %1RM管理は あらかじめメニューを組みやすい方法 で、 VBTは その日の状態に合わせて調整しやすい方法 です。
%1RM管理は、 1RMを基準に重量を決めるので、 計画を立てやすいのが強みです。 一方で、 同じ70%でも、 今日は軽く感じる日もあれば、 妙に重く感じる日もあります。
VBTは、 その違いを 動作速度 で見やすくする考え方です。 つまり、 「予定通りやる」 のが%1RM管理、 「今日の状態に合わせてやる」 のがVBT と考えるとイメージしやすいです。
そもそもVBTトレーニングとは何か
VBTとは、 Velocity Based Training(速度基準トレーニング) の略です。 トレーニング中のバーや器具、 あるいは身体の動作速度を見ながら、 負荷・回数・本数・打ち切りなどを判断していきます。
たとえば同じ60kgのスクワットでも、 今日は速く立てる日もあれば、 遅くて重く感じる日もあります。 VBTでは、 この 「同じ重量でも、 毎回同じではない」 という前提を重視します。
つまりVBTは、 重さそのものだけでなく、 その重量をどれくらいの質で動かせているか を見ながら、 現場判断をしやすくする方法です。
VBTでよく見るシンプルな視点
- 今日はいつもより速いか遅いか
- 同じ重量で安定して動けているか
- 何本目で大きく落ちるか
- 疲労で質が下がりすぎていないか
- その日の状態に合う負荷になっているか
%1RM管理とは何か
%1RM管理は、 自分の最大挙上重量(1RM)をもとに、 その何%でメニューを組むかを決める方法です。 たとえば1RMが100kgなら、 70%は70kg、 80%は80kgです。
この方法の良いところは、 計画を立てやすいこと です。 オフ期は何%、 シーズン中は何%、 といった形で、 期間ごとの設計がしやすくなります。
ただし弱点もあります。 それは、 その日の体調や疲労の違いが、 重量設定だけでは見えにくいこと です。 同じ70kgでも、 ある日は楽に動き、 ある日はかなり重く感じることがあります。
VBTと%1RM管理の違いを一言でいうと
一言でいうと、 %1RM管理は 「何kgをやるか」 を決める考え方で、 VBTは 「その重量が今日どう見えているか」 を確認する考え方です。
どちらも重要ですが、 見ているポイントが違います。 %1RM管理は重量中心、 VBTは速度中心です。 そのため、 同じメニューでも、 判断の仕方が変わってきます。
つまり、 重量ベースで設計するのが%1RM、 動きの質まで見て調整しやすくするのがVBT と整理すると分かりやすいです。
VBTと%1RM管理のざっくり比較
| 比較項目 | %1RM管理 | VBT |
|---|---|---|
| 基準 | 重量 | 速度 |
| 強み | 計画を立てやすい | その日の状態に合わせやすい |
| 弱み | 状態差が見えにくい | 導入や解釈に少し慣れが必要 |
| 向いていること | 全体計画・期間設計 | 日々の調整・質の管理 |
なぜ野球ではVBTが噛み合いやすいのか
野球は、 同じ選手でも毎日同じ状態ではありません。 試合、 打撃練習、 投球数、 走塁、 移動、 睡眠不足などで、 出力の出しやすさが大きく変わります。
そのため、 毎回同じ%1RM設定だけで進めると、 合う日もあれば、 ズレる日も出ます。 調子が良い日に物足りないこともあれば、 疲れている日にやりすぎることもあります。
VBTは、 そのズレを見つけやすいのが強みです。 特に野球では、 出力維持、 疲労管理、 やりすぎ防止 の面で相性が良いと考えられます。
野球でVBTが役立ちやすい場面
- オフ期の出力づくり
- 試合前後の疲労を見た微調整
- 投手の下半身トレーニングの負荷管理
- 連戦中のやりすぎ防止
- 「今日は攻める日か、 抑える日か」の判断
じゃあ、%1RM管理はもう不要なのか?
結論から言うと、 不要ではありません。 %1RM管理には、 今でも十分な価値があります。 特に、 トレーニング全体の設計や、 期間ごとの負荷目安を決めるには分かりやすい方法です。
問題は、 %1RM管理が悪いことではなく、 それだけで全てを判断しようとすると、 日々の状態差を拾いにくいこと です。
なので実務的には、 %1RMで大まかな設計をしつつ、 VBTで日々のズレを見ていく という考え方がかなり相性が良いです。
実務的な整理
- %1RM管理:全体の負荷設計に向く
- VBT:その日の状態調整に向く
- 両方を組み合わせると、 計画性と柔軟性を両立しやすい
高校野球ではどちらをどう考えるべきか
高校野球では、 人数が多い、 指導者が少ない、 時間が限られるなど、 現場ならではの制約があります。 そのため、 理想的には細かく管理したくても、 すべてを毎回完璧にやるのは難しいこともあります。
そうした現場では、 %1RM管理だけの方が一見シンプルに見えますが、 実際には 疲労で質が落ちたまま回数だけこなす ことが起きやすくなります。 だからこそ、 少しでもVBTの考え方を入れる意味があります。
高校野球では、 最初から完璧なVBT運用を目指すより、 「今日は速いか・遅いか」 を見るだけでも価値がある と考える方が現実的です。
初心者が最初に覚えるべきこと
VBTや%1RMの話になると、 難しく感じるかもしれません。 ですが、 最初はそこまで複雑に考えなくて大丈夫です。
まず覚えたいのは、 %1RMは「予定を組む考え方」、 VBTは「今日の状態を見ながら調整する考え方」 という違いです。
最初はこれだけ分かればOK
- %1RMは重量ベースで設計しやすい
- VBTは速度ベースで状態を見やすい
- 同じ重量でも、 今日は軽い日と重い日がある
- 野球ではその日の状態差が大きい
- だからVBTの考え方が噛み合いやすい
まとめ:%1RM管理とVBTは対立ではなく、役割が違う
VBTトレーニングとは、 重量だけでなく、 動作速度を見ながらトレーニングを調整する考え方 です。 一方で%1RM管理は、 最大挙上重量を基準に負荷を設計する方法 です。
%1RM管理は計画を立てやすく、 VBTはその日の状態に合わせやすい。 つまり、 どちらが絶対に正しいかではなく、 見ているものと得意な役割が違う のです。
野球の現場では、 出力、 疲労、 試合日程などで状態差が大きいため、 重量だけでなく速さも見る ことに意味があります。 だからこそ、 %1RMだけでなくVBTの考え方を知っておく価値があります。
%1RM管理は「計画」、VBTは「調整」
%1RMはトレーニング全体を組みやすく、 VBTはその日の状態に合わせやすい方法です。
野球のように日々の状態差が大きい競技では、 重量だけでなく “速さ” も見る価値があります。
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