菊池雄星も語り始めたVBTは、「速さ」を使ってトレーニングをその日に合わせる考え方

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最近、メジャーリーガーの菊池雄星投手がVBTについて語り始めたことで、 日本でも 「VBTって何?」 と気になり始めた方が増えてきました。
VBTとは、 Velocity Based Training(速度基準トレーニング) の略です。 バーベルや器具、 あるいは身体の動作が どれくらいの速さで動いたか を見ながら、 その日の負荷や本数、 止めどきなどを判断していく考え方です。
この記事では、 野球選手向けの超入門 として、 VBTとは何か、 なぜ野球と相性が良いのか、 最初に何を理解すればよいのかを、 難しい理論をできるだけ省いてシンプルに整理します。
この記事のポイント
- VBTは「重さ」だけでなく「動く速さ」を見る考え方
- 野球では出力・疲労管理・再現性の面で相性が良い
- 同じ重量でも、その日の状態で速度は変わる
- 最初は難しく考えず、「今日の動きの質を見る道具」と捉えればOK
まず結論:VBTは「どれだけ重いか」ではなく「どれだけ速く動けたか」を使う考え方
先に結論を言うと、 VBTは トレーニング中の動作速度を見ながら、負荷や本数を調整する方法 です。
たとえば同じ60kgでも、 今日は軽く速く動く日もあれば、 重く感じて遅くなる日もあります。 同じ重量でも、 毎回まったく同じ状態とは限りません。
VBTは、 その違いを感覚だけでなく、 数字でも確認しやすくする仕組み です。 つまり、 「今日の体で、その負荷がどう見えているか」 を把握しやすくする考え方だと捉えると分かりやすいです。
菊池雄星も語り始めた今、なぜ野球でVBTが注目されるのか
野球は、 ただ重いものを持ち上げる競技ではありません。 打つ、 投げる、 走る、 切り返す――どの動作にも、 力を速く出すこと が求められます。
そのため野球では、 「何kgを上げられるか」 だけでなく、 「どれだけ速く力を発揮できるか」 も非常に重要です。 VBTはこの “速さ” を見られるので、 野球選手と相性が良いのです。
野球でVBTが噛み合いやすい理由
- 打撃:出力やバットスピードにつながる感覚を持ちやすい
- 投球:下半身から上半身への連動を支える基礎出力を管理しやすい
- 走力:素早い力発揮や切り返しの質と相性が良い
- 疲労管理:速さの低下で「今日は重い」を見つけやすい
- 再現性:感覚だけでなく、客観的な比較材料を持てる
特に野球は、 試合、 練習、 投球量、 遠征、 睡眠不足などで日々コンディションが揺れやすい競技です。 だからこそ、 その日の状態に合わせてトレーニングの質を調整できること に価値があります。
従来の重量管理とVBTは何が違うのか
従来のトレーニングでは、 重量や回数、 %1RMをもとにメニューを組むことが一般的でした。 もちろんこれ自体は有効ですが、 現場ではどうしても 「今日はそのメニューが重いのか、合っているのか」 が見えにくい場面があります。
VBTでは、 そこに 「実際にどれくらいの速度で動けているか」 という視点を加えます。 これにより、 同じ重量でも、 調子が良い日と悪い日で違いを見つけやすくなります。
つまり、 「予定通りやる」ための管理から、 「その日に合う形でやる」ための管理へ近づける のがVBTの大きな特徴です。
VBTで見るのは、主に「動作の速さ」
VBTで代表的に見るのは、 バーベルや器具、 あるいは身体がどれくらいの速度で動いたかです。 スクワットやベンチプレスなどの基本種目で使われることが多いですが、 考え方自体は野球の出力づくりにも応用しやすいです。
難しく聞こえるかもしれませんが、 最初から専門用語を覚え込む必要はありません。 現場ではまず、 「前回より速いか」 「今日は落ちているか」 「何本目で急に遅くなるか」 が見られるだけでも十分役立ちます。
VBTでよく見るシンプルな視点
- 今日はいつもより速いか遅いか
- 同じ重量での動きは安定しているか
- セット後半で急に落ちていないか
- その日のベストに近い動きが出ているか
- 疲労で無理に続けすぎていないか
最初は、 「速さの変化でその日の状態を見る」 という理解で十分です。
なぜVBTが便利なのか
トレーニングは、 同じ選手でも毎日同じ状態ではありません。 睡眠、 疲労、 試合の影響、 練習量、 体調、 メンタルなどで、 動ける日と動けない日は変わります。
それでも、 毎回同じ重量、 同じ回数、 同じメニューだけで進めると、 合う日もあれば、 ずれる日も出ます。 VBTは、 そのズレを見つけやすくするための考え方です。
つまり、 「今日は予定通りやり切るべき日か」 「少し抑えるべき日か」 を見極めやすくする ことが、 VBTの大きな価値です。
VBTのメリットは大きく3つ
VBTのメリットはいくつかありますが、 野球選手向けの超入門としては、 まずこの3つを押さえると分かりやすいです。
VBTの主なメリット
- その日の状態に合わせやすい
調子が良い日は伸ばしやすく、 重い日はやりすぎを防ぎやすくなります。 - 感覚だけに頼りすぎない
「今日は重い気がする」 を、 速さの数字でも確認しやすくなります。 - 止めどきが見えやすい
疲労で速度が大きく落ちたときに、 そこで切る判断がしやすくなります。
もちろん万能ではありませんが、 現場判断の精度を上げやすい のがVBTの魅力です。
VBTは「軽いものを速く動かす」だけではない
ここは誤解されやすいポイントです。 VBTというと、 「とにかく軽くして速く動かせばいい」 と思われることがありますが、 そういう意味ではありません。
大事なのは、 今の重量に対して どれくらいの速度が出ているか を見ることです。 重い重量なら速度は下がりますし、 軽い重量なら速度は上がりやすいです。 その関係を使って、 負荷設定や疲労管理をしやすくします。
つまり、 VBTは「軽いものを速く動かす遊び」ではなく、 「速度を手がかりに適切なトレーニングを組む方法」 です。
野球ではどんな場面で役立つのか
野球では、 シーズン中、 試合前後、 投手の疲労管理、 出力づくりの期間など、 毎回トレーニングの意味が少しずつ変わります。 VBTは、 そうした場面で やりすぎ防止や微調整 に役立ちます。
超入門の段階では、 まず 「今日は予定通り続けるべきか」 「少し落として良い日か」 「このセットはもう十分か」 を判断する道具として考えると実践しやすいです。
VBTが役立ちやすい場面
- その日のコンディション確認
- 重量設定の見直し
- やりすぎ防止
- 出力の出ている日の把握
- 試合期や疲労期の微調整
こうして見ると、 VBTは特別な理論というより、 現場の判断を少し賢くするための補助ツール と言えます。
高校野球や部活でも使えるのか
結論から言えば、 使えます。 ただし、 海外のやり方をそのまま持ち込むのではなく、 日本の現場で回る形に翻訳すること が大切です。
高校野球の現場では、 理論が正しいこと以上に、 大人数で回るか、 準備が複雑すぎないか、 監督やコーチが運用できるか が重要です。
部活導入で大事な視点
- 最初から全員を完璧に測ろうとしない
- スクワットなど基本種目から始める
- 「今日は速いか・遅いか」を見るだけでも意味がある
- 数値だけでなく、フォームや疲労の文脈と合わせて見る
- 「測ること」より「判断の質を上げること」を目的にする
つまり、 VBTは高度な理論として持ち込むより、 現場で無理なく回る形に落とすこと が定着のポイントになります。
初心者が最初に覚えるべきこと
VBTを学び始めると、 速度帯、 速度ロス、 平均速度、 1RM推定など、 いろいろな言葉が出てきます。 ですが、 最初から全部を理解しようとしなくて大丈夫です。
まず大事なのは、 同じ重量でも日によって速度は変わる 、 その変化には意味がある 、 速度を見れば負荷調整の判断がしやすくなる 、 という3点です。
最初はこれだけ分かればOK
- VBT=速度を見て調整する考え方
- 同じ重量でも毎回同じ状態ではない
- 速度低下は疲労や出力低下のヒントになる
- 数字は絶対ではなく判断材料の一つ
- 最初はシンプルに使うほど定着しやすい
超入門としては、 VBTは「速度を使って、その日のトレーニング判断を現実的にする方法」 と理解しておけば十分です。
まとめ:VBTとは「その日の動き」を見て、より良い判断をするための考え方
VBTは、 バーベルや器具、 身体の動く速度を見ながら、 負荷や本数、 止めどきなどを判断するトレーニングの考え方です。
重量や回数だけでは見えにくい 「今日の状態」 を捉えやすくなり、 やりすぎ防止や、 状態に合った調整がしやすくなります。
つまり、 VBTとは、速さの数字を使って、その日のトレーニング判断をより良くする方法 です。 難しく見えても、 本質はとてもシンプルです。 まずは 「動きの速さを見る」 ところから理解していけばOKです。
菊池雄星も語り始めたVBTは、「速さ」を使ってトレーニングをその日に合わせる考え方
重量や回数だけでは分からない状態の違いを、 速度という数字で見やすくするのがVBTです。
野球選手にとっては、 出力づくり、 疲労管理、 やりすぎ防止のヒントになる考え方として知っておく価値があります。
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