測る種目を絞る:現場で強い“3種目運用”のすすめ

VBT(Velocity Based Training)を現場に導入する時、 つい 「できるだけ多くの種目を測ったほうがよい」 と考えてしまいがちです。
しかし実際の現場では、 測る種目が増えすぎるほど、 準備、記録、判断、共有の負担が大きくなり、 オペレーション全体が止まりやすくなります。
この記事では、 測る種目をあえて絞る重要性 を整理しながら、 現場で回しやすく、継続もしやすい “3種目運用”の考え方 を実践的に解説します。
この記事のポイント
- VBTは測る種目を増やすほど良いわけではなく、現場では絞るほど強くなることがある
- 3種目に絞ると、準備・計測・記録・比較が一気にシンプルになる
- 継続運用では「全部測る」より「同じ種目を継続比較できる」ことが重要
- 現場で強いのは、理想的なフル計測ではなく、止まらず続く3種目運用である
なぜ測る種目を絞ったほうが現場では強いのか
VBTは、 種目ごとに速度や負荷の見え方が変わるため、 本来は多くの種目を測れたほうが情報量は増えます。
ただし現場では、 情報量が増えることと、 運用がうまくいくことは同じではありません。 種目が増えると、 機器の付け替え、 設定変更、 記録項目の増加、 比較の複雑化が起こり、 指導も記録も一気に重くなります。
つまり現場で重要なのは、 たくさん測ることではなく、 止まらず回り、継続比較できる形を作ること です。 そのために有効なのが、 種目を絞った運用です。
多種目運用が止まりやすい理由
最初は 「せっかくVBTを使うなら全部測りたい」 と思うことがあります。 しかしこの発想は、 特に少人数ジムやチーム現場では失敗しやすいです。
多種目運用で起こりやすいこと
- 測定準備に時間がかかる
- 記録フォーマットが複雑になる
- 前回比較がしにくくなる
- 指導者の判断ポイントが増えすぎる
- 会員や選手が「何を見ればよいか」分からなくなる
- 結局どの種目も中途半端になりやすい
つまり、 種目を増やしすぎると、 情報は増えても、 運用の軸がぼやけて継続しにくくなる のです。
現場で強い“3種目運用”とは何か
3種目運用とは、 VBTで測る対象を最初から3種目程度に絞り、 その種目を継続的に見ていく運用のことです。
3種目という数は絶対ではありませんが、 現場では 「少なすぎず、多すぎない」 非常に扱いやすい単位です。
3種目運用の基本イメージ
- 主力として継続比較しやすい種目を選ぶ
- 目的の違う3種目に分ける
- 毎回または定期的に同じ基準で見る
- 記録と共有の型を固定する
- 増やすのは運用が安定してからにする
大切なのは、 種目数を減らすこと自体ではなく、 比較・判断・継続がしやすい土台を作ること です。
なぜ3種目だと回りやすいのか
3種目に絞ると、 現場の負担が目に見えて減ります。 種目が固定されることで、 準備も説明も記録も、 毎回ほぼ同じ流れで進めやすくなるからです。
さらに、 同じ種目を継続比較しやすくなるため、 数値の意味も共有しやすくなります。
3種目運用の強み
- 準備がシンプルになる
- 測定手順を固定しやすい
- 記録フォーマットを最小化しやすい
- 前回比較が分かりやすい
- 会員や選手に説明しやすい
- 指導者の判断軸がぶれにくい
このように3種目運用は、 情報量を少し絞る代わりに、 現場での再現性と継続力を高めやすい のが強みです。
3種目の選び方は「全部大事」ではなく「役割で分ける」
3種目運用を成功させるには、 何となく人気種目を並べるのではなく、 それぞれの役割を決めておくと強くなります。
たとえば、 出力を見たい種目、 下半身の主力種目、 上半身の主力種目、 というように役割を分けると、 現場での意味づけがしやすくなります。
役割で分ける考え方の例
- 基準種目:毎回の状態確認に使う
- 主力下半身種目:負荷管理と出力把握に使う
- 主力上半身種目:全体のバランス確認に使う
このように、 種目ごとの役割を明確にしておくと、 ただ数を減らしただけではなく、 意味のある3種目運用 になります。
3種目運用の具体例
現場に合わせて内容は変わりますが、 まずはシンプルに組むのがおすすめです。
3種目運用の例
- ジャンプ系または軽負荷種目:当日の出力・状態確認
- スクワット系:下半身の主力指標
- ベンチプレス系または押す種目:上半身の主力指標
あるいは競技特性に応じて、 ヒンジ系、 スクワット系、 プレス系のように整理してもよいです。
大切なのは、 現場で毎回無理なく測れて、 継続比較がしやすいことです。
まずは3種目だけ深く見るほうが成果につながりやすい
種目数が多いと、 どうしても1種目あたりの理解が浅くなりやすいです。 一方で3種目に絞ると、 それぞれの速度帯、 負荷調整、 疲労の出方、 伸び方の傾向が見えやすくなります。
つまり、 浅く広く測るより、 少数の種目を継続的に深く見るほうが、現場判断は強くなりやすい のです。
特に導入初期は、 種目数を増やすことよりも、 数値の意味を現場で共有できる状態を作るほうが重要です。
記録も3種目なら圧倒的に続きやすい
記録が続かない現場では、 種目数の多さが原因になっていることも少なくありません。 測る種目を絞るだけで、 入力項目や見返す範囲も一気に軽くなります。
3種目運用で記録しやすくなる理由
- 記録シートがシンプルになる
- 毎回同じ種目なので入力が早い
- 比較対象が明確になる
- 会員や選手本人も変化を把握しやすい
- 月単位での振り返りがしやすい
つまり3種目運用は、 計測だけでなく、 記録継続の面でも非常に現場向き です。
3種目運用で避けたい失敗
3種目に絞れば何でもうまくいくわけではありません。 種目選びや運用の考え方を間違えると、 逆に使いにくくなることもあります。
避けたい失敗例
- 毎回変わる種目を3つ選んでしまう
- 目的が重複した種目ばかりになる
- 測りにくい種目を無理に入れる
- 競技や会員層に合わない構成にする
- 3種目に絞ったのに記録や共有の型が定まっていない
大切なのは、 種目数だけでなく、 継続比較しやすい構成と、運用ルールの固定 をセットで考えることです。
最初は3種目で十分、増やすのは後からでよい
導入初期に必要なのは、 理想的なフル運用ではありません。 まずは 止まらず3か月続くこと のほうが大切です。
3種目で運用が安定し、 記録も比較も回るようになってから、 必要があれば4種目目、5種目目を加えていけば十分です。
つまり現場で強い順番は、 最初から全部やることではなく、 少数種目で成功パターンを作ってから広げること です。
まとめ:現場で強いのは「全部測る運用」ではなく「3種目を回し切る運用」
VBT導入で大切なのは、 測る種目を増やすことそのものではありません。 本当に重要なのは、 継続比較できて、現場で止まらず回る形を作ること です。
そのためには、 種目を3つ程度に絞り、 役割を分け、 記録と共有の型を固定することが有効です。
つまり、 測る種目を絞る:現場で強い“3種目運用”のすすめとは、「情報量を増やす発想」ではなく「継続できる軸を作る発想」 です。 この視点を持つと、VBT運用は一気に実践的になります。
現場で強いのは、「多く測ること」ではなく「3種目を継続して回すこと」
種目を絞ると、準備、計測、記録、比較が一気にシンプルになります。 だからこそ、現場では3種目運用が強い土台になります。
最初は少なく、深く、止まらず続けること。そこから広げるほうが成功しやすいです。
VBT導入・測定種目設計の相談はこちら
「何種目から始めるべきか迷っている」 「現場で回るVBT種目設計を作りたい」 「少人数ジムやチームで継続しやすい運用にしたい」 そんな場合は、現場に合ったVBT導入設計をご相談ください。

